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仲田 光樹; 鈴木 渓
Physical Review Letters, 130(9), p.096702_1 - 096702_6, 2023/03
被引用回数:3 パーセンタイル:76.59(Physics, Multidisciplinary)量子場の真空ゆらぎによって創発されるカシミア効果は、古典力学には対応物が存在しないという意味において真に量子力学的な効果である。しかし、カシミア効果はこれまでフォトン(光子)を舞台に研究されており、磁性体中でのカシミア効果、特にそのカシミアエネルギーの膜厚依存性については十分な理解は得られていない。そこで本研究では格子場の理論の観点から、磁性絶縁体中のスピン波を量子化したマグノンに着目し、マグノン量子場により創発されるカシミア効果「マグノン・カシミア効果」及びその膜厚依存性を明らかにする。更に反強磁性絶縁体だけでなくフェリ磁性絶縁体(例:YIG)においてもマグノン・カシミア効果が創発することを示し、スピントロニクス分野で中心的な役割を担うYIGがカシミア効果の工学的応用を目指すカシミアエンジニアリング分野にとっても絶好の舞台であることを明らかにする。本研究は、マグノン・カシミアエンジニアリングの基礎学理の構築に大きく貢献することが期待される。
Titov, A. I.; 江尻 宏泰*; Haberzettl, H.*; 中山 健三*
Physical Review C, 71(3), p.035203_1 - 035203_19, 2005/03
被引用回数:10 パーセンタイル:58.83(Physics, Nuclear)SPring-8のGeVエネルギーのレーザー電子ビームによるペンタクォークに関する実験は新しい問題を切り開いた。その中で、最近の問題の1つは、粒子のパリティを決定することである。陽子ないし中性子にGeVエネルギーの線を照射することで、反応が発生する。この反応で生成される粒子のパリティをどのように決定するかについて、われわれは分析を行った。われわれの計算によれば、反応において、バックグランドを形成する非共鳴状態の影響は決して小さくないことがわかった。つまり、反応の第一過程である反応から、明確にパリティを決めることはできないのである。これらのさまざまなメカニズムに関して議論する。
大強度陽子加速器プロジェクトチーム
JAERI-Tech 2003-044, 788 Pages, 2003/03
大強度陽子加速器施設(J-PARC)計画の加速器技術設計の詳細を報告書として取りまとめたものである。本加速器は、400-MeV常伝導リニアック(600-MeV超伝導リニアック),3-GeVの速い繰り返しのシンクロトロン(RCS),50-GeV主シンクロトロン(MR)からなる。400 MeVのビームはRCSに入射され、3GeVまでRCSで加速され、1MWのビーム出力となる。RCSは核破砕パルス中性子源及びミュオン源を擁する物質生命科学実験施設にビームを供給する。一部はMRへ入射され、原子核素粒子実験施設またはニュートリノ生成標的に0.75MWの出力ビームを供給する。一方、超伝導リニアックで600 MeVまで加速されたビームは、核廃棄物変換実験施設で使用される。このように、本施設は世界的にもユニークな多目的加速器施設であり、多くの新しい発明,研究開発をもとに建設されるものである。
日本原子力研究所・高エネルギー加速器研究機構共同推進チーム
JAERI-Tech 2000-003, p.99 - 0, 2000/02
大強度陽子加速器を用いた科学技術の総合的展開を図るために、高エネルギー加速器研究機構(以下「機構」という。)と日本原子力研究所(以下「原研」という。)は、機構の大型ハドロン計画と原研の中性子科学研究計画を共同で推進することとした。本報告書は、機構と原研が策定した大型ハドロン計画と中性子科学研究計画の加速器及び実験施設を原研の東海研究所に建設するための統合計画の提案書である。最初英文で作成された提案書に若干の変更を加えて平成11年11月現在でまとめて日本語にした。
共同推進チーム
JAERI-Tech 99-056, 78 Pages, 1999/08
大強度陽子加速器を用いた科学技術の総合的展開を図るために、高エネルギー加速器研究機構(以下「機構」という。)と日本原子力研究所(以下「原研」という。)は、機構の大型ハドロン計画と原研の中性子科学研究計画を共同で推進することとした。本報告書は、機構と原研が策定した大型ハドロン計画と中性子科学研究計画の加速器及び実験施設を原研の東海研究所に建設するための統合計画の提案書である。
Afanassiev, V. I.*; 草間 義紀; 根本 正博; 西谷 健夫; S.Petrov*; Kozlovskij, S. S.*; 佐藤 稔; 森岡 篤彦; 塚原 美光; 近藤 貴; et al.
Europhysics Conference Abstracts, 19C(2), p.57 - 60, 1995/00
ヨッフェ研究所との協力で準備したアルファ粒子分析器により、ICRF加熱時に発生するMeV領域の高速水素粒子を測定した。(1)検出器の特性:中性子/線に対する検出感度及び水素粒子に対するエネルギー分解能は較正結果とほぼ一致した。(2)イオンテイル温度:2倍~5倍までの高調波加熱で形成されるテイル温度は、4倍までは次数とともに上昇し、5倍で減少した。この傾向は、フォッカー・プランクコードによる計算結果と一致した。(3)ICRFパワー依存性:5MW程度で、測定した粒子束(0.3~1MeV)、テイルの蓄積エネルギーは飽和した。よりエネルギーの高いイオンによるパワー収束と加速されたイオンの損失が示唆される。テイル温度の電子密度依存性、テイル温度の減衰についても述べる。
神林 佑哉; 小野田 忍; 加田 渉*; 牧野 高紘; 星乃 紀博*; 土田 秀一*; 大島 武; 神谷 富裕; 花泉 修*
no journal, ,
半導体デバイス中に発生する照射欠陥の評価技術として開発を進めているアルファ線誘起電荷スペクトロスコピー(APQTS)評価装置の改良を行うとともに、その装置を用いて電子線や陽子線照射により六方晶炭化ケイ素(4H-SiC)を用いたショットキーダイオード(SBD)型粒子検出器に発生する欠陥を調べた。評価装置の改良としては、従来の試料が固定されたチップキャリアを冷却・加熱する方式から、試料を直接冷却・加熱ホルダーに固定する方式へとすることで、200K600Kであった測定温度範囲を100K600Kとした。この装置を用いて、1MeV電子線, 3MeV陽子線を照射することで電荷収集効率を低下させた4H-SiC SBDのAPQTS評価を行った。その結果、350K付近にAPQTSスペクトルのピークが観測され、このピークをアレニウスプロットすることで活性化エネルギーを求めたところ0.55eVであることが判明した。この欠陥ピークが室温付近で観測されること、0.55eVと深い準位であることから、この欠陥の発生により4H-SiC SBDの粒子検出特性が低下すると結論できた。